【本の紹介】捨てられる銀行 松本卓典著 講談社現代新書

2017年09月07日(木)
2016年5月20日 第1刷発行。252ページ。
知り合いに、この本をいただいて、読み始めた。通常、本をいただいても、最後まで読みきることは少ないのだが、この最後まで読破した。
第1章では、金融庁大改革の状況が示されている。第2章で、金融庁大改革を推し進めている3人のキーマンの人となりが説明されており、第3章で、金融機関の現状。第4章は、新しい金融機関のあり方を目指している4つの銀行の取り組みが説明され、最終章で、森金融庁長官の改革による変化の現在が書かれている。
以前の金融庁の目標は、リーマンショックの影響などで不良債権の問題が最優先事項であり、「銀行の健全性」だった。つまり、危ない融資先にお金を貸すことができなかった。
それが、森金融庁長官の就任後の目標は、「企業と経済の成長と資産形成」である。つまり、金融機関のお客様である企業の成長が目標になった。これは、企業の将来性を見ながら、将来性のある企業には積極的に融資して、企業を成長させて、それにより、経済を発展させていこうというように、180度目標が変わったのである。
金融機関は、顧客の関心が金利だけであると思い込んでいるが、企業経営者は銀行に対して「事業内容を見て、経営課題の解決と成長に向けて一緒に歩んでほしい」と考えているとの調査結果が出ている。金融機関だけではなく、企業経営者も、その会社のお客様の要望が、値段だけではないかと勝手に思っているのと同じなので、金融機関だけを攻めることは出来ない。
 
地方銀行が、地域企業に付加価値をつけ、企業を再生・成長させ、その果実として銀行の収益も改善・拡大するというリレーションシップバンキングは、10年以上前から言われていたが、ただのお題目であった。しかし、森金融庁長官は、地方銀行に対して、本気で取り組むように、考えている。
 
私は、17年8月に周りの金融機関にお金を借りに歩いてみた。
いままで、まったく取引のなかった金融機関にたずねていって、プロパーでお金を貸してくださいといったら、ほとんどの金融機関の対応は、「まずは保証協会付きの融資からにしてください」といわれた。
唯一、保証協会の事を言い出さなかったのは、多摩信用金庫でした。
他の金融機関も、そこを何とかとお話をしたら、検討してくれて、いろいろなところから融資を受けることができた。
これも、森金融庁長官の改革によるものかもしれない。
 
【目次】
第1章 金融庁の大転換
第2章 改革に燃える3人
第3章 「選ばれる銀行」になるために
第4章 新しい4つのビジネスモデル
終章  森金融庁改革の行方